いもみの日記

御朱印集めが趣味のOL(お芋好き女子)です。いろんな神社やグルメを紹介します!

『古事記』本文上巻71~誓約(3)剣を噛んだ後、息を吹く~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻71~誓約(3)剣を噛んだ後、息を吹く~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
こうして天安河を間に挟んで向かい合った天照大御神とスサノオは誓約を立てることにしました。
天照大御神はまずスサノオが帯びている十拳剣を渡すように言い、それを3つに折ると玉が触れあう様な音を立てて、
(註:奴那登母母由良邇の八字は音読みを用いて【ぬなとももゆらに】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい)
高天原に湧く清浄な水を振りかけて洗いすすぐと、口に含んで噛み砕きました。
(註:佐賀美邇迦美の【佐】以下の六字は音読みを用いて【さがみにかみ】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい)

誓約をする...そこまでは分かります。
分からないのは、なんで「剣を折って、洗って、噛み噛みして…」。
あ~分からない!
理解できませんが、話を続けます。


『古事記』本文上巻71~誓約(3)剣を噛んだ後、息を吹く~

【原文と読み方】
【原文】
於吹棄氣吹之 狹霧所成神御名 多紀理毘賣命
(此神名以音)
亦御名謂 奧津嶋比賣命
次 市寸嶋(上)比賣命
亦御名謂 狹依毘賣命
次 多岐都比賣命
(三柱 此神名以音)


【読み方】
吹き棄(う)つる氣吹(いぶき)の狹霧(さぎり)に成りませる神の御名は
多紀理毘賣命(たぎりびめのみこと)
亦(また)の御名を奧津島比賣命(おきつしまひめのみこと)と謂(い)う
次に市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)
(【嶋】は上声)
亦(また)御名を狹依毘賣命(さよりびめのみこと)と謂(い)う
次に多岐都比賣命(たぎつひめのみこと)
(三柱なり。此の神名は音を以(もち)いる)

【訳】
天照大御神が噛み砕いたスサノオの剣を息で吐きだすと、霧の様になって、そこから神々がお生まれになりました。
それらの神々の名前は多紀理毘賣命(たぎりびめのみこと)。
こちらの神はまたの名を奧津島比賣命(おきつしまひめのみこと)と言います。
次に市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)がお生まれになりました。
こちらの神はまたの名を狹依毘賣命(さよりびめのみこと)と言います。
次に多岐都比賣命(たぎつひめのみこと)がお生まれになりました。
(註:以上の3柱の神々です。これらの神々の名前は音読みを用いて読んで下さい)

【解説】
於吹棄氣吹之 狹霧所成神御名 多紀理毘賣命
「吹棄」は「ふきうつ」と読みます。
意味は文字通り「吹き棄てる」または「唾や息を吐き出す」です。

「氣吹」は「息吹(いぶき)」です。
意味は「息を吐く」ことですよね。

「狹霧」は「さぎり」と読みます。
「さぎり」の「さ」は接頭語(例:「お手紙」の「お」が接頭語、つまり意味はほぼ無いと考えて良いです)であり、特別な霧ではありません。
普通の「霧」という意味で良いでしょう。

この文は、前回スサノオの十拳剣を折って洗って口に含んで噛み噛みした天照大御神がその後どうしたかを説明している文です。
於吹棄氣吹➩噛み砕いたスサノオの剣を「息の様に吐き出した」という意味でしょう。
狹霧所成神御名➩吐き出したスサノオの剣が「霧の様になって、そこから生まれた神の名は…」という事でしょう。

さて、【スサノオの剣を噛み砕いた天照大御神の吐息】からは以下の神々が誕生しました。
3柱とも「比賣(ひめ=姫)」が付いていますので女神ですね。

1.多紀理毘賣命(たぎりびめのみこと)
➩「紀理」は「霧」のことです。つまり「霧の女神」なんでしょう。
別名は奧津嶋比賣命(おきつしまひめのみこと)。
直訳すると「奥の島の女神」。沖ノ島のことを言っているのでしょうか。

2.市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)
➩「市寸(いちき)」は「斎き」の事とされます。
「神霊を斎き祭る」から来ています。
意味は「神聖な」といった感じで良いと思います。
この女神は私と同じで凄い美人な女神だということです。
別名は狹依毘賣命(さよりびめのみこと)。
「稲霊が宿る姫」という意味ですね。農業の女神とされています。
若しくは「さ(神霊)より(寄り)」で神霊が寄るという意味もあるみたいです。

3.多岐都比賣命(たぎつひめのみこと)
➩他の女神と違い、唯一別名がありません。
神名は、「海がたぎる」から来ているという説があります。
「海がたぎる」の意味は分かりずらいのですが、波が激しい、波立つイメージだと思います(多分...)。

宗像三神(むなかたさんしん)について

天照大御神とスサノオの誓約によって誕生した3柱の女神の総称です。
宗像三女神(むなかたさんじょしん)とも言いますが、この他にも道主貴(みちぬしのむち)とも呼ばれます。

この道主貴とは「あらゆる道の最高神」といった意味であり、このため宗像三神は交通安全・航路安全の神様として知られています。
ここでいう「道」とは大陸へと繋がる道(玄界灘)ですね。
※宗像大社沖津宮のある沖ノ島の地図です。

ところで宗像三神が特別な神だというのは幾つか理由があります。
私が気になったポイントだけ書いてみようと思います。

①宗像氏は天皇家と関係がある。
➩胸形(宗像)君徳善(むなかたきみとくぜん)の娘、尼子娘(あまこのいらつめ)は、天武天皇の后となり高市皇子を生んでいます。
②宗像は九州唯一の神郡(しんぐん)である。
➩他の神郡では、伊勢神宮・鹿島神宮・香取神宮・出雲大社など。
③宗像三神の別称「道主貴」の「貴(むち)」は凄く特別な尊称。
➩「貴(むち)」という名が付く神様って凄く少なくて、宗像三神(道主貴)以外では2柱しか存在しません。その2柱とは、【天照大御神の大日孁貴(おおひるめのむち)】と【大国主神の大己貴(おおなむち)】です。
こうしてみれば「貴(むち)」が特別な神様だという事が分るかと思います。
④天孫降臨の時に天照大御神からご神勅を授かる。
➩いずれこのお話も登場しますけど、天界から地上に天孫(天照大御神の孫)のニニギが降りる時、天照大御神からお言葉を頂いたのは当の本人であるニニギを除くと宗像三神だけなのです。

かなり省いてしまいましたが、要点だけでも宗像三神が古代においてとても重要な神様であったことはお分かりいただけると思います<(_ _)>

以上で『古事記』本文上巻71~誓約(3)剣を噛んだ後、息を吹く~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻72~誓約(4)今度はスサノオが噛む~をご紹介する予定です。

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『古事記』本文上巻70~誓約(2)剣を噛んでみる~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻70~誓約(2)剣を噛んでみる~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
スサノオの言葉を聞くと天照大御神は「そなたに邪な心が無いと言うのならば、心が潔白かどうか私に証明してみせなさい」と仰せになられました。
これに対しスサノオは「では、お互いに誓約を立てて子を成しましょう」とお答えになりました。
(註:宇氣比の【宇】以下の三字は音読みを用いて【うけひ】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい)

誓約(うけい)は占いではありますが、予め結果を宣言してから、その出た結果で吉凶正邪を決めるものでしたから、私個人としての感想では占いより勝負の意味合いが強いのかな...と思います。
現在は法治国家として【法】で善悪など判断できますが、古代においては占いで判断することは合理的だったように思います。
他に正邪を判断するツール無い気がするし...。


『古事記』本文上巻70~誓約(2)剣を噛んでみる~

【原文と読み方】
【原文】
故爾 各中置天安河而 宇氣布時
天照大御神 先乞度 建速須佐之男命所 佩十拳劔
打折三段而 奴那登母 母由良邇
(此八字以音 下效此)
振滌 天之眞名井而 佐賀美邇迦美而
(自佐下六字以音 下效此)

【読み方】
故(かれ)爾(ここ)に各(おのおの)天安河(あめのやすのかわ)を中に置いて宇氣布(うけふ)時
天照大御神(あまてらすおおみかみ)先(ま)ず建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)の佩(は)かせる十拳劔(とつかのつるぎ)を度(わた=渡)したまえと乞(こ)いたまいて
三段に打ち折りて奴那登母母由良邇(ぬなとももゆらに)
(此の八字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う)
天之眞名井(あめのまない)振り滌(すす)ぎて、佐賀美邇迦美(さがみにかみ)て
(【佐】自(よ)り下の六字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う)

【訳】
こうして天安河を間に挟んで向かい合った天照大御神とスサノオは誓約を立てることにしました。
天照大御神はまずスサノオが帯びている十拳剣を渡すように言い、それを3つに折ると玉が触れあう様な音を立てて、
(註:奴那登母母由良邇の八字は音読みを用いて【ぬなとももゆらに】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい)
高天原に湧く清浄な水を振りかけて洗いすすぐと、口に含んで噛み砕きました。
(註:佐賀美邇迦美の【佐】以下の六字は音読みを用いて【さがみにかみ】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい)

【解説】
故爾 各中置天安河而 宇氣布時
「天安河」は「あめのやすのかわ」と読みます。
天界の高天原にある川で、後ほど再登場します。
固有名詞ではなく、以下の様な意味です。
界(高天原)にあるらかなで「天安河」です。

「各中置天安河」は「各々(天照大御神とスサノオが)天安河を真ん中に置いて」➩「天照大御神とスサノオは天安河を間に挟んで向かい合っている」事でしょう。

「宇氣布時」は「うけふ時」➩「誓約(うけい)時」ですね。


天照大御神 先乞度 建速須佐之男命所 佩十拳劔 打折三段而 奴那登母 母由良邇(此八字以音 下效此)
「乞度」は「(剣を)渡すように乞う」つまり「剣を渡しなさい」とお願いする...ような意味だと思います。

「佩十拳劔」は「スサノオが帯びている十拳劔(とつかのつるぎ)」の意味ですね。
十拳劔(とつかのつるぎ)についてはこれまで何度か登場してきました。
これについては『古事記』本文上巻㉜~迦具土神のその後(4)~に書いていますので、興味がありましたらご覧ください<(_ _)>

「奴那登母 母由良邇」は太安万侶の注釈(此八字以音 下效此)を先に訳さないと読めません。
(此八字以音 下效此)➩「此の八字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う」➩「奴那登母母由良邇の八字は音読みを用いて【ぬなとももゆらに】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい」です。

という事で「奴那登母 母由良邇」は「ぬなとももゆらに」と読めました。
次に「ぬなとももゆらに」の意味を考えます。
「ぬなと」➩漢字で書くと「瓊音」です。「玉の触れあう音」の意味です。
「もゆら」➩玉などが触れ合って出す音を表しています。これは以前もやりましたね。


振滌 天之眞名井而 佐賀美邇迦美而(自佐下六字以音 下效此)
「天之眞名井」は「あめのまない」と読みます。
「眞名井」は清浄な水(地下水)に付けられる名前です。
これに「天之」と付くわけですから「高天原に湧く清浄な水」みたいなニュアンスで訳せば良いと思います。
最初「高天原に湧く地下水」と訳したのですが、「天なのに地下水っておかしいな?」と思って「高天原に湧く清浄な水」という訳にしました。

ちなみに鳥取県米子市に名水百選にも選定されている地下水「天の真名井」が湧き出る名水スポットがあります。

「佐賀美邇迦美而」は太安万侶の注釈(自佐下六字以音 下效此)を先に訳さないと読めません。
(自佐下六字以音 下效此)➩「【佐】自(よ)り下の六字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う」➩「佐賀美邇迦美の【佐】以下の六字は音読みを用いて【さがみにかみ】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい」

これで「佐賀美邇迦美」は「さがみにかみ」と読むことが出来ました。
では「さがみにかみ」とは何だ?ってなりますよね?
「さ」➩接頭語(例えば「お手紙」の「お」の部分が接頭語です。あまり深い意味はないでしょう)
「がみ、かみ」➩「噛み」の事です。

つまり「噛み噛みした」という意味ですね。
剣を噛み噛みしちゃうなんて...想像しただけで痛いですね…💦
訳では「噛み噛みしました」ではおかしいので「噛み砕きました」としました。


以上で『古事記』本文上巻70~誓約(2)剣を噛んでみる~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻71~誓約(3)剣を噛んだ後、息を吹く~をご紹介する予定です。

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『古事記』本文上巻69~誓約(1)提案する~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻69~誓約(1)提案する~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
この天照大御神の問いに対しスサノオは「私に邪な心はありません。
ただ父上(伊邪那岐大御神)が私に『お前は何故泣き喚いているのか?』と仰せられたので、私は『母上がいなくて辛いので、私は亡き母上のいらっしゃる根之堅洲國に行きたいと思って泣いているのです』とお答え申し上げたのです。
すると父上は私に『それならば、お前はもうこの国に住んではならない!』と仰せになって、父上に私は追放されたのです。
ですから私は根之堅洲國に行く前に姉上にお会いしてお暇乞いしたいと思い、参上しただけです。
他意などはございません」とお答えになりました。

「母が恋しくて泣き喚いてたら、父に追い出されて、姉にお暇乞いに会いに来ました」
内容がアレですが、実弟が訪ねて来たのに姉の疑いは晴れません...。
この疑いを晴らすにはどうしたらよいのでしょうか…?というお話が今回から語られます。
ぶっちゃけちゃうと、次回あたりから「話の意味が分かりません」状態になります。


『古事記』本文上巻69~誓約(1)提案する~

【原文と読み方】
【原文】
爾 天照大御神 詔
然者 汝心之清明 何以知
於是 速須佐之男命 答白 各宇氣比而生子
(自宇以下三字以音 下效此)

【読み方】
爾(ここ)に天照大御神(あまてらすおおみかみ)詔(の)りたまはく
「然(しか)らば汝(なんじ)の心之(の)清(きよ)き明(あかる)きは何以(いか=如何?)に知らむ」
是(こ)こに於(お)いて、速須佐之男命(はやすさのおのみこと)答え白(もう=申)したまわく
「各(おのおの)宇氣比(うけひ=誓約)て子を生(な)さん」
(【宇】自(よ)り以下の三字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う)

【訳】
スサノオの言葉を聞くと天照大御神は「そなたに邪な心が無いと言うのならば、心が潔白かどうか私に証明してみせなさい」と仰せになられました。
これに対しスサノオは「では、お互いに誓約を立てて子を成しましょう」とお答えになりました。
(註:宇氣比の【宇】以下の三字は音読みを用いて【うけひ】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい)

【解説】
爾 天照大御神 詔 然者 汝心之清明 何以知
この文は特に難しいわけではありませんね。

前文でスサノオが「邪な心は無く、姉上にお暇乞いに来ただけです。他に意味はありません」と言っているのに対し、天照大御神は「どうやって貴方の心の明るさを知るのか?」と聞き返している場面です。
要するに「そなたに邪な心が無いと言うのならば、心が潔白かどうか私に証明してみせなさい」と言っているのでしょう。

それにしても天照大御神...疑い深いですね~。
この時点でスサノオは剣を持っていますが、軍勢を率いているでもなく独りだけです。
その姿を見て、更に今回スサノオが追放された経緯も聞いたのにも拘らず、まだ疑うか~…実弟でしょ??


於是 速須佐之男命 答白 各宇氣比而生子(自宇以下三字以音 下效此)
「各宇氣比而生子(自宇以下三字以音 下效此)」
これが今回のポイントとなる文です。
まずは太安万侶の注釈(自宇以下三字以音 下效此)➩「【宇】自(よ)り以下の三字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う」➩「宇氣比の【宇】以下の三字は音読みを用いて【うけひ】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい」から「宇氣比」は「うけひ」と読みます

では「うけひ」とは何か?
これを漢字で書くと「誓約(うけい)」です。
誓約(うけい)はこの下で説明しようと思います<(_ _)>

誓約(うけい)について

一言で言えば「古代の日本で行われた占い」です。
具体的には「宣言した言葉の可否で吉凶を占う、占いのこと」です。

【誓約のやりかた】
①まず宣言します。
予め「○○をして、結果が△△ならば正義、△△でなければ悪とする」など宣言する。

アクション(占い)します。

アクションの結果でもって吉凶や正邪を判断します。

上記は、とても悪い例です。

以上で『古事記』本文上巻69~誓約(1)提案する~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻70~誓約(2)剣を噛んでみる~をご紹介する予定です。

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『古事記』本文上巻68~スサノオの弁明~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻68~スサノオの弁明~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
背中には弓矢が千本も入る靫(ゆぎ)を背負い、
(註:千入之靫の【入】の字は【能理(のり)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
(註:曾毘良邇者の【曾】の字より【邇者】までは音読みを用いて【そびらには】と読んで下さい)
さらに五百本入りの靫を付けました。
また威力が強烈な弓を用意し、左手首の内側には音高くひびく鞆(とも)をつけました。
弓腹(ゆばら)を振り立てて、足で踏みしめた固い地面に股(太腿)まで足を取られましたけれども、それらを柔らかい沫雪の様に蹴散らして、激しい勢いで雄叫びをあげてスサノオに問いただしました。
「お前は何故この高天原に上がってきたのかッ!」

私達の訳は「原文の区切りの良い箇所まで」を一日分(一日作業時間は約3時間強なんです)としているのですが、逆に区切りにくい文は訳も長くなります。
正直2~3行くらいがギリギリなんですが、4行以上となると…。
前回も長かったけど、今回も長い...💦
何が言いたいかと言うと、誤解も弁明も簡潔に!です。

『古事記』本文上巻68~スサノオの弁明~

【原文と読み方】
【原文】
爾 速須佐之男命 答白 僕者 無邪心 
唯大御神之命以 問賜 僕之哭 伊佐知流之事故 
白都良久(三字以音)僕欲往妣國以哭 爾 大御神詔 汝者不可在此國而 神夜良比夜良比賜
故以爲請 將罷往之状 參上耳 無異心

【読み方】
爾(ここ)に速須佐之男命(はやすさのおのみこと)答へ白(もう=申)したまはく、「僕(やつがれ)は邪(よこしま)な心無し。
唯(ただ)大御神(おおみかみ)の命(めい)で以(もち)て、僕(やつがれ)の哭(な)き伊佐知流(いさちる)事の故(ゆえ)を問ひ賜(たま)いければ、
白(もう=申)し都良久(つらく)、
(三字は音を以(もち)いる)
僕(やつがれ)は妣(なきはは)の國に往かんと欲し、以(もち)て哭く。
爾(ここ)に大御神(おおみかみ)『汝(なんじ)は此(こ)の國に不可住(すまわざるべし)』と詔(の)りたまいて、神(かむ)夜良比(やらひ)夜良比(やらひ)賜(たま)わりき
故(かれ)以爲(おもえらく)、將(まさ)に罷(まか)り往く之(の)状(さま)を請(こ)い、参上し耳(のみ)。異心無し」

【訳】
この天照大御神の問いに対しスサノオは「私に邪な心はありません。
ただ父上(伊邪那岐大御神)が私に『お前は何故泣き喚いているのか?』と仰せられたので、私は『母上がいなくて辛いので、私は亡き母上のいらっしゃる根之堅洲國に行きたいと思って泣いているのです』とお答え申し上げたのです。
すると父上は私に『それならば、お前はもうこの国に住んではならない!』と仰せになって、父上に私は追放されたのです。
ですから私は根之堅洲國に行く前に姉上にお会いしてお暇乞いしたいと思い、参上しただけです。
他意などはございません」とお答えになりました。

【解説】
爾 速須佐之男命 答白 僕者 無邪心 唯大御神之命以 問賜 僕之哭 伊佐知流之事故
「答白」はこれまでも登場してきた言葉ですね。
私は「答え白(もう=申)し」と読みました。
「お答え申し上げた」という事でしょう。

「伊佐知流之事故」も以前2回ほど登場しました。
「伊佐知流」は音読みで「いさちる」と読みます。
「はげしく泣く、慟哭、泣き叫ぶ」という意味です。

「之事故」の部分は事故(じこ)ではなく「~の事(こと)故(ゆえ)」です。
「~という事ですので」みたいな意味です。


白都良久(三字以音)僕欲往妣國以哭 爾 大御神詔 汝者不可在此國而 神夜良比夜良比賜
「白都良久(三字以音)」は太安万侶の注釈(三字以音)に従って…➩「【都良久】の3字は音を以(もち)いる」➩「【都良久】の3字は音読みを用いて【つらく】と読んで下さい」でしょう。

白都良久は「白(もう)しつらく」と読むわけですが、さて意味は??
文面から察するにこれは「辛い」でいいんじゃないでしょうか?

「白都良久(三字以音)僕欲往妣國以哭」は要するに「僕は辛くて、『亡き母の国に往きたいと欲して哭いていた』と白(もう=申)しあげた」って感じになると思います。

「妣」は「なきはは」と読みます。
つまり「亡き母」➩イザナミの事です。

「神夜良比夜良比賜」
この文は『古事記』本文上巻64~イザナギ怒って隠居する~でもやりました。
詳しい説明はそちらをご覧いただくとして、ここではおさらいで簡潔にします。
「夜良比(やらひ)」は「遣らひ」と書きます。
意味は「追い払う、追い出す」です。

だから「神遣らひ」とは「神を追い払う、追放する」という意味です。
ココでいう神とはスサノオ自身の事ですね。

語尾の「賜(たま)わる」の主語は大御神、つまりイザナギのことですので「神夜良比夜良比賜」は「(イザナギ大御神に)私は追放されてしまったので」みたいな意味で良いと思います。


故以爲請 將罷往之状 參上耳 無異心
「以爲」は「以為」です。
「いい」とも読めると思いますが、ここでは「おもえらく」と読みます。
意味は「思っている、考えている」です。

「罷」も以前出てきました。
「まか(る)」と読みます。
「行く、退出する」という意味があります。

「耳」は「のみ」という読み方があります。
「參上耳」は「耳が参上した」のではありません、当たり前ですが。
「参上しただけです」という意味で良いと思います。

以上で『古事記』本文上巻68~スサノオの弁明~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻69~誓約(1)提案する~をご紹介する予定です。

ここまで読んで頂きありがとうございました_(..)_
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『古事記』本文上巻67~誤解のあげく叫ぶ~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻67~誤解のあげく叫ぶ~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
そう言い終わると、天照大御神はすぐに結んでいた髪をほどいて、髪を頭の中央で左右に分け、両耳のあたりで束ねて輪状に結ばれました。
その輪状に束ねた髪の左右にも、髪飾りにも、※八尺勾璁之五百津之美須麻流(=御統)之珠(やさかのまがたまのいほつのみすまるのたま)を身に着け、お持ちになりました。
(註:美須麻流の【美】から【流】までの4字は音読みを用いて【みすまる】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい)
※「多くの玉を紐に通して輪とした、首にかけたり腕に巻いたりする飾り」のことです。

あぁ…誤解が止まらない...。
「弟さんが会いに来るだけですよ?」って教えてあげたい…!
そして今回は誤解が続いたまま、次の段階に進みます。


『古事記』本文上巻67~誤解のあげく叫ぶ~

【原文と読み方】
【原文】
曾毘良邇者 負千入之靫
(訓入云能理 下效此)
(自曾至邇者 以音)
附 五百入之靫 亦所取 佩伊都(此二字以音)之竹鞆而
弓腹 振立而 堅庭者 於向股蹈那豆美(三字以音)
如沫雪 蹶散而
伊都(二字以音)之男建(訓建云多祁夫)
蹈建而 待問 何故上來


【読み方】
曾毘良邇者(そびらには)千入(ちのり)の靫(ゆぎ)を負ひ、
(【入】を訓(よ)み、【能理(のり)】と云(い)う 下も此れに效(なら)う)
(【曾】自(よ)り【邇者】に至るまで 音を以(もち)いる)
五百入(いほのり)の靫(ゆぎ)を附(つ)け、
亦(また)伊都(いつ=稜威)の高鞆(たかとも)を取り佩(は)かしたまいて
弓腹(ゆばら)振り立てて堅庭(かたにわ)は向股(むかもも)に蹈(ふ)み那豆美(なづみ=泥・滞)、
沫雪(あわゆき)の如(ごと)く蹶散(けち)らかして伊都(いつ=稜威)の男建(おたけび=雄叫び)待ち問ひたまひしく
「何故(なにゆえ)に上り來ませる」と問ひたまひき

【訳】
背中には弓矢が千本も入る靫(ゆぎ)を背負い、
(註:千入之靫の【入】の字は【能理(のり)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい)
(註:曾毘良邇者の【曾】の字より【邇者】までは音読みを用いて【そびらには】と読んで下さい)
さらに五百本入りの靫を付けました。
また威力が強烈な弓を用意し、左手首の内側には音高くひびく鞆(とも)をつけました。
弓腹(ゆばら)を振り立てて、足で踏みしめた固い地面に股(太腿)まで足を取られましたけれども、それらを柔らかい沫雪の様に蹴散らして、激しい勢いで雄叫びをあげてスサノオに問いただしました。
「お前は何故この高天原に上がってきたのかッ!」

【解説】
曾毘良邇者 負千入之靫
(訓入云能理 下效此)
(自曾至邇者 以音)

いきなり難しい文です。
まずは太安万侶の注釈から訳していきます。
(訓入云能理 下效此)➩「【入】を訓(よ)み、【能理(のり)】と云(い)う 下も此れに效(なら)う」➩「千入之靫の【入】の字は【能理(のり)】と読みます。以下もこれに倣い読んで下さい」

(自曾至邇者 以音)➩「【曾】自(よ)り【邇者】に至るまで 音を以(もち)いる」➩「曾毘良邇者の【曾】の字より【邇者】までは音読みを用いて【そびらには】と読んで下さい」
...です。

つまりこの文は「曾毘良邇者(そびらには)千入(ちのり)の靫(ゆぎ)を負ひ」と読みます。
「そびら」とは「背平」と書きます。
「背中」の意味です。

「靫」は「ゆぎ(ゆき)」と読みます。
聞きなれない言葉ですね…私は初めて見る字でした。
これは「弓矢を入れて背に負った細長い箱形の道具」のことです。

「千入(ちのり)の靫(ゆぎ)」とは「弓矢が千本も入る靫(ゆぎ)」ですが…ヤル気満々というか...腕が下手だから千本も必要なのか…なによりこんなの背負ったら背骨がへし折れる気が…。

附 五百入之靫 亦所取 佩伊都(此二字以音)之竹鞆而
「附」は「つけ(る)」と読みます。
「付く、付ける」という意味ですね。

何を付けたのかと言うと「五百入之靫」。
つまり千本入りの靫を背負ったばかりでは足らないと思ったのか...更に500本入りの靫も用意した、ということですね。
1500本の弓矢を用意して姉が待ち構えているとは、スサノオも思っていなかったでしょうね…。

「佩伊都(此二字以音)之竹鞆而」ですが、まず「伊都」は太安万侶の注釈で「此の2字は音読みを用いる」とありますので「いつ」と読みます。
で、「なにこれ?」となりますが「いつ」➩「稜威」で「勢いが激しい、威力が強烈」といった意味です。

次に「竹鞆」ですがこれは「たかとも」と読みます。
で、また「なにこれ?」となりますが「たかとも」➩「高鞆」で「音高くひびく鞆(とも)」という意味です。
で、更に「なにそれ?」となりますが「鞆(とも)」➩「弓を射る時に左手首の内側につけて、矢を放った後に弓の弦が腕等に当たるのを防ぐ道具」
いや~説明が忙しい文だ...。

「威力が強烈な弓を用意し、左手首の内側には音高くひびく鞆(とも)をつけました」という感じかと思います。


弓腹 振立而 堅庭者 於向股蹈那豆美(三字以音)

「堅庭」は「かたにわ」と読みます。
「堅い地面」という意味です。

「向股」は「むかもも」と読みます。
普通に「股」という意味ですが…。
次に続く「蹈那豆美(三字以音)」は『那豆美が音読み』という注釈があるので「蹈なずみ」と読みます。
「なずみ」は聞きなれませんが、漢字にするとちょっと分かりやすくなります。
私も「なずむ」で検索してみました。すると…

「なずむ」➩「泥・滞」です。
意味は「前へ進もうとしても、なかなか進めないでいる」でしょう。

つまり「於向股蹈那豆美」は「足で踏みしめた地面に股(太腿)まで足を取られたが」という風に、【地面に足がとられてなかなか前進できない様子】を表わしていると読みました。


如沫雪 蹶散而
「沫雪」は「あわゆき」ですね。
意味は「泡のようにやわらかく溶けやすい雪」のことです。

「蹶」はこの1字だけだと「つまずく、倒れる」という読みと意味なのですが、「蹶散」で「けち(らす)」という読みと意味になります。

「柔らかい沫雪の様に蹴散らして」という意味でしょう。


伊都(二字以音)之男建(訓建云多祁夫)蹈建而 待問 何故上來
ここは「伊都(二字以音)之男建(訓建云多祁夫)蹈建而」が難しいですね。
2つの注釈に従い読んでみると
「伊都(二字以音)」➩上でやりましたね。
「いつ」と読んで漢字になおすと「稜威」で「勢いが激しい、威力が強烈」といった意味です。

「男建(訓建云多祁夫)」➩「【建】を訓(よ)み、【多祁夫(たけぶ)】と云う」➩「男建の【建】は【多祁夫(たけぶ)】と読んで下さい」。
これで「男建」は「おたけぶ」と読みます。
「おたけぶ」とは「雄叫び」ですね。

この文は要するに、姉に会いに高天原に上がってきただけのスサノオに、勝手に『攻めてくる...!』と誤解したアマテラスが、髪型を解いて弓矢を用意して固い地面を雪の様に蹴散らし雄叫びをあげて「何しに来たッ!!」と怒鳴ってるシーンなのです。
どちらに非があるかは明らかですね…。

以上で『古事記』本文上巻67~誤解のあげく叫ぶ~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻68~スサノオの弁明~をご紹介する予定です。

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『古事記』本文上巻66~誤解のあげく武装する~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻66~誤解のあげく武装する~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
父であるイザナギに海原を追放されたスサノオは「それならば姉の天照大御神に『根之堅洲國に行き、母に会いたい』と申し上げよう」と言い、天照大御神のいる高天原に向かいました。
しかしスサノオが天に上る時、その振動は国土の天地が揺れ動くほどでした。
そのあまりの振動を聞いた天照大御神は驚かれ、
「私の弟であるスサノオが天に昇ってくるとは、決して善くない事を想っての事でしょう。私の治める高天原を奪い取ろうとしているのかもしれない」
と仰せになられました。

必要のないスサノオの移動時の振動...。
必要以上のアマテラスの警戒心...。
弟が姉に会いに行っただけなのになぁ…とおもいません?


『古事記』本文上巻66~誤解のあげく武装する~

【原文と読み方】
【原文】
即解御髮 纏 御美豆羅而 
乃於左右 御美豆羅 亦於御鬘 亦於左右御手
各纒持 八尺 勾璁之 五百津之 美須麻流之珠而
(自美至流四字以音 下效此)

【読み方】
即(すなわ)ち御髮(みかみ)を解きて、御美豆羅(みみづら=御髻)を纏(まと)めて
乃(すなわ)ち左右の御髻(みづら)にも、御鬘(かずら)にも、
各(おのおの)八尺勾璁五百津(やさかのまがたまのいほつ)の美須麻流(みすまる=御統)之(の)珠を
纏(まと)い持ちて
(【美】自(よ)り【流】に至る4字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う)

【訳】
そう言い終わると、天照大御神はすぐに結んでいた髪をほどいて、髪を頭の中央で左右に分け、両耳のあたりで束ねて輪状に結ばれました。
その輪状に束ねた髪の左右にも、髪飾りにも、八尺勾璁之五百津之美須麻流(=御統)之珠(やさかのまがたまのいほつのみすまるのたま)を身に着け、お持ちになりました。
(註:美須麻流の【美】から【流】までの4字は音読みを用いて【みすまる】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい)
「多くの玉を紐に通して輪とした、首にかけたり腕に巻いたりする飾り」のことです。
【スサノオMemo】

【アマテラスMemo】

【解説】
即解御髮 纏 御美豆羅而
「御美豆羅而」は太安万侶の注釈がありませんが、「御美豆羅」は音読みで「みみづら」と読みます。
「うっそ!何で読めるの?天才なの??」と皆さん、お思いでしょう。ふふふ...( ̄ー ̄)
実はこれ、以前似たような言葉で訳しています。

『古事記』本文上巻㊶~明かりを灯してイザナミの姿を見る(1)~で、「御美豆良(みみづら)」という言葉が出ています。
どういう訳か、「ら」の字が「羅」と「良」で違いますが…。
忘れてしまった方もいらっしゃるでしょうから、今一度説明しますと「みづら」とは『髪を頭の中央で左右に分け、両耳のあたりで束ねて輪状に結ぶ』髪型です。
古代では主に男子の髪型でした。
ちなみにこんな髪型です。

今回アマテラスが髪を解いて、この髪型にしたのですね。
普段の髪型はどうだったのか興味ありますね。

「纏」は「まと(めて)」と読みます。
髪を解いたんだから、次にまとめるのは自然ですね。
アマテラスにとって戦闘する場合の髪型にしたってとこですかね?


乃於左右 御美豆羅 亦於御鬘 亦於左右御手
「鬘」は「かずら」と読みます。
「髪飾り」のことです。
余談ですが、古代の髪飾りは稲穂やユリ・つる草などを髪に巻き付けていたそうです。
これは単に飾りとしてではなくて、植物の生命力を自分の身体に移すまじないだったようです。


各纒持 八尺勾璁之五百津之 美須麻流之珠而(自美至流四字以音 下效此)
「八尺勾璁之五百津之 美須麻流之珠而(自美至流四字以音 下效此)」
これは長いですがまず読み方から行ってみましょう。
太安万侶の注釈(自美至流四字以音 下效此)は…
➩「【美】自(よ)り【流】に至る4字は音を以(もち)いる 下も此れに效(なら)う」➩「美須麻流の【美】から【流】までの4字は音読みを用いて【みすまる】と読んで下さい。以下もこれに倣って読んで下さい」です。

なので「八尺勾璁之五百津之美須麻流之珠」は「やさかのまがたまのいほつのみすまるのたま」と読みます。
う~ん...長い、長すぎる...。
これは何なのか?と言いますと要するに『八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)』の事です。
八尺瓊勾玉は、八咫鏡・天叢雲剣と共に三種の神器の一つですね。

ちなみにそれぞれの言葉の意味は以下の通りです<(_ _)>
「八尺」➩約140㎝...長すぎません?巨人か??
「五百津」➩500個の玉があるとは考えられないので「多くの」という意味でしょう。500もあったら首が折れますしね。
「みすまる」➩分からなかったので調べてみたら『御統』という字でした。意味は「多くの玉を紐に通して輪とした、首にかけたり腕に巻いたりする飾り」でした。

以上で『古事記』本文上巻66~誤解のあげく武装する~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻67~誤解のあげく叫ぶ~をご紹介する予定です。

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『古事記』本文上巻65~天地が揺れて誤解する~

こんばんは、いもみ🍠です。
本日は、『古事記』本文上巻65~天地が揺れて誤解する~のご紹介です。

こんばんは、アキです。
主に翻訳と解説を担当しています。

【前回のあらすじ】
それを聞いたイザナギはたいへん怒って、
「役目を果たさないと言うのならば、お前はもうこの国に住んではならない!」
と言って、スサノオを追放してしまったのです。
(註:神夜良比爾 夜良比は【夜】から以下の7字は音読みを用いて【やらひにやらひ】と読んで下さい)
そしてイザナギは、淡路の多賀の社に(※「近江の多賀神社」の説もあります)行かれました。

とうとうスサノオは追放されてしまいました。
要職に就きながら、それを全うできない...その結果は神も人も同じですね。
古事記では登場したばかりのスサノオはとんでもない問題児の様に描かれます。
では今回登場する姉神の天照大御神は登場当初、どのように描かれているのでしょうか?


『古事記』本文上巻65~天地が揺れて誤解する~

【原文と読み方】
【原文】
故於是 速須佐之男命言 然者請 天照大御神 將罷 
乃參上天時 山川悉動 國土皆震
爾 天照大御神 聞驚而 詔 我那勢命之 上來由者 必不善心 欲奪我國耳


【読み方】
故(かれ)是(ここ)に於(お)いて速須佐之男命(はやすさのおのみこと)言わく
「然(しか)らば天照大御神(あまてらすおおみかみ)に將(まさ)に罷(まか)り請(こ)うとす」
乃(すなわ)ち天に参(さん)じ上(のぼ)りたまう時に、山川悉(ことごと)くに動(とよ)みて國土皆震(ゆ)りき
爾(ここ)に天照大御神(あまてらすおおみかみ)聞き驚きて詔(の)りたまはく
「我が那勢命(なせのみこと=汝兄命)の上り来ます由(よし)は、必ず不善(よかざる)心にて、我が國を奪わんと欲(ほ)する耳(のみ)」

【訳】
父であるイザナギに海原を追放されたスサノオは「それならば姉の天照大御神に『根之堅洲國に行き、母に会いたい』と申し上げよう」と言い、天照大御神のいる高天原に向かいました。
しかしスサノオが天に上る時、その振動は国土の天地が揺れ動くほどでした。
そのあまりの振動を聞いた天照大御神は驚かれ、
「私の弟であるスサノオが天に昇ってくるとは、決して善くない事を想っての事でしょう。私の治める高天原を奪い取ろうとしているのかもしれない」
と仰せになられました。


【解説】
故於是 速須佐之男命言 然者請 天照大御神 將罷
「將」は「まさ(に~す)」と読みました。
幾つか意味がありますが、この文には「~しようとする、~したい」と先の事についての意志を表わす意味でしょう。
この文には主語がありませんが「~したい」先の事とは、前文から明らかなように「亡き母のいる根之堅洲國に行きたい」ことですね。

「罷」は「まか(る)」と読みます。
「行く、退出する」という意味があります。

これは父・イザナギに「亡き母に会いに根之堅洲國へ行きたい」と言って追放されたので「それなら姉(アマテラス)に申し上げてから行こう」ということでしょう。


乃參上天時 山川悉動 國土皆震
「參上天時」は「天に参(さん)じ上(のぼ)りたまう時に」と読みました。
ここで言う「天」とはアマテラスがいる高天原のことです。

「動」は、ここでは「振動、震動」という様な意味であると思います。

直訳すると「高天原に参上する時、山や川はことごとく振動して国土が震えた」という事ですね。
どういう行き方をしたら天地が揺れ動くのでしょうね?
移動する度にこれでは「お願い、ジッとしといて...!」と言いたくなります。


爾 天照大御神 聞驚而 詔 我那勢命之 上來由者 必不善心 欲奪我國耳
「我那勢命」はこれまでも何度か登場しています。
「那勢(なせ)」は「女性が男性に親しみや敬意を込めて呼ぶ言葉」です。
「汝兄」とも書きます。
これに対し「男性が女性に親しみや敬意を込めて呼ぶ言葉」を「那邇妹(なにも)」と言います。
「汝妹」とも書きます。

「我が那勢命(なせのみこと)」は、姉であり女性(アマテラス)が弟である男性(スサノオ)を呼ぶ言葉、となります。

「上來由者 必不善心」は直訳すると「天に上がってくる理由は必ずしも善い心では無い」でしょう。
「欲奪我國耳」は漢字から意味は分かると思います。
唯一分かりずらいのは「耳」でしょうか?
「耳」は訓読みで「のみ」とも読みます。

【スサノオMemo】

【アマテラスMemo】

以上で『古事記』本文上巻65~天地が揺れて誤解する~のご紹介はおしまいです。

次回は『古事記』本文上巻66~誤解のあげく武装する~をご紹介する予定です。

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